頸部の腫れ・腫瘍

首のリンパ節が腫れる(リンパ節腫脹)について

リンパ節腫脹(しゅちょう)とは、首などのリンパ節が腫れて大きくなる状態をいいます。

リンパ節は体の中で「免疫の働き」を担っており、感染症やがんなどの影響を受けて腫れることがあります。

主な原因

急性リンパ節炎(感染によるもの)

ウイルスや細菌の感染によってリンパ節が急に腫れ、痛みを伴うことが多いです。
抗菌薬や消炎鎮痛薬による治療で改善するケースがほとんどです。

慢性リンパ節炎

長期間腫れが続くタイプで、結核やサルコイドーシスなどの病気が関係していることがあります。
それぞれの病気に応じた専門的な治療が必要です。

悪性疾患による腫れ

  • 悪性リンパ腫(リンパ節自体ががん化したもの)
  • リンパ節転移(他のがんがリンパ節に移ったもの)

これらは見逃してはいけない重大な病気であり、慎重な診断が求められます。

検査と治療について

リンパ節の腫れが続く場合や、腫れがかたい・痛みがない・大きくなるといった特徴がある場合には、血液検査・画像検査(エコーやCTなど)を行い、必要に応じて精密検査を行います。原因に応じて、内服治療、経過観察、あるいは専門科へのご紹介を行っています。このような症状があればご相談ください。

  • 首にしこりのような腫れがある
  • 腫れが痛む、または長引いている
  • 熱が続く、体がだるい
  • 他の部位にも腫れがある

リンパ節の腫れは、比較的軽いものから重大な病気のサインまでさまざまです。
気になる症状がある場合は、お早めにご相談ください。

唾液腺腫瘍について

唾液腺(だえきせん)とは、唾液をつくる器官のことで、主に以下の3つがあります。

  • 耳下腺(じかせん) :耳の前あたり
  • 顎下腺(がっかせん):あごの下
  • 舌下腺(ぜっかせん):舌の下の部分

これらの唾液腺に腫瘍(しゅよう)=できものができることがあり、良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)に分かれます。

良性腫瘍と悪性腫瘍の違い

唾液腺(だえきせん)とは、唾液をつくる器官のことで、主に以下の3つがあります。

  • 耳下腺(じかせん) :耳の前あたり
  • 顎下腺(がっかせん):あごの下
  • 舌下腺(ぜっかせん):舌の下の部分

これらの唾液腺に腫瘍(しゅよう)=できものができることがあり、良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)に分かれます。

良性腫瘍の場合

  • ゆっくりと大きくなり、痛みや麻痺などの症状は少ないことが多いです。
  • 基本的には手術で腫瘍を取り除く治療を行います。

悪性腫瘍の場合

  • 腫れている部分に**痛みや顔の動きにくさ(顔面神経麻痺)**が現れることがあります。
  • 他の臓器やリンパ節に転移する可能性もあるため、手術、抗がん剤、放射線治療などを組み合わせた治療が必要になることもあります。

小さな唾液腺にも注意

唾液腺は大きなものだけでなく、口の中などにある小さな唾液腺からも腫瘍ができることがあります。
これらも良性・悪性どちらの可能性もあるため、症状がある場合には早めの診察が大切です。
このような症状があればご相談ください

  • 耳やあごの下にしこり・腫れがある
  • 腫れがだんだん大きくなっている
  • 腫れている部分が痛い・しびれる・動かしにくい
  • 顔の表情が左右で違う、まぶたや口が動かしづらい

唾液腺腫瘍の診断には画像検査(超音波・CT・MRIなど)や細胞検査を行い、

状態に応じた治療をご提案します。

頸部嚢胞について

頸部嚢胞(けいぶのうほう)とは、首にできる「水ぶくれのような袋状の腫れ」のことです。

この袋の中には液体やゼリー状の成分がたまっており、皮膚の下にしこりや腫れとして感じられます。

頸部にできる主な嚢胞の種類

  • 側頸嚢胞(そくけいのうほう)
  • 正中頸嚢胞(せいちゅうけいのうほう)
  • リンパ管腫
  • 皮様嚢腫(ひようのうしゅ)
  • 類上皮腫 など

これらは先天的(生まれつき)にできるものが多く、小児から成人まで幅広い年齢で見られます。

主な症状と注意点

通常は首の腫れが見られる程度ですが、感染や炎症を起こすと赤く腫れたり、痛みを伴うこともあります。
針で中の液体を抜く処置もありますが、一時的な対応となることが多く、根本的な治療としては手術による摘出が一般的です。
嚢胞に見えても、注意が必要な場合があります。まれに、頸部嚢胞のように見えて実際はがん(悪性腫瘍)が含まれていることもあります。

  • 鰓性がん(さいせいがん):まれな悪性の嚢胞性腫瘍
  • 嚢胞性リンパ節転移:がんがリンパ節に転移し、液体成分を含むことがある

そのため、見た目が「水のう」のようでも、正確な診断が必要です。
画像検査(超音波・CT・MRIなど)や必要に応じた生検・手術を通じて、確定診断を行います。
嚢胞のように見える症状でも、原因や性質によって対応が大きく変わることがあります。気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談ください。